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「いい靴があるよ」

NYに住む友人に初めてオーロラシューズを見せてもらったのは、1993年のことで、まだ葉山にSUNSHINE+CLOUDをスタートする前だ。その前の年に代官山にG.O.D.をオープンして店で取り扱う商品をNYのSoHo、Greenwich Villege、East Villegeで探し回っていた頃だ。その僕の友人、Robertは、SoHoにあったJ Morgan Puettというとても個性的で素敵な店で働いていた。その当時、SoHoにはdosa, Kate Spade, Steven Alanなど小さな個性的な店ができ始めていた。

「Hayatoこういうの好きだろ」と言ってRobertが履いていたオーロラシューズを見せてくれた。丸みを帯びたその靴は、今までに見たことのない自由で大らかな型をしていた。
「わぁ!すごくいいね!!おもしろい型だね。履きやすいの?」
「はじめは少しきつく感じるかもしれないけど、革が馴染んで足の形になるから、そのあとはすごく履きやすいよ。NY郊外のAurora村というところの小さな工房で作られているけど、VenturaのPatagoniaのスタッフとかも履いているし、サーファー達も素足で履いているから、Hayatoの店に合うんじゃない?」

これが僕とオーロラシューズの出会いだった。

あれから25年以上経ってオーロラシューズは2代目のオーナーになってはいるけど、今でも一足、一足、当時と同じように手作業で作られている。何度となく尋ねている工場で働いている職人たちは、いつも大らかで優しく笑いが絶えない。そして、とてつもなくごつい手をしている。その手から丁寧に作られているこの靴は、いつまでも変わることのないアメリカの素晴らしさを象徴している、正真正銘のHAND CRAFTED IN USAだと思う。(ht)